教育・学力情報

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研究者、高級技術者を養成する大学側が一番欲しい学生

 私立は灘校のようにそれぞれ特色ある建学の精神、教育理念をもとに教育活動を行っています。
将来を切り開くためには3つの力が必要だと思います。1つは生きる力、2つめは物事の研究する力、3つめはコミュニケーション力です。生きる力は衣食住を確保する仕事を意欲的に前向きに取り組む力、他人と協力する力、困難に出会った時それを克服する3つの力だと思います。アメリカのある心理学者は「仕事は自分の能力と興味と価値観を表現するもの」と言っています。それが出来なかったら退屈で無意味だと言っています。そして、義務感ではなく、使命感で仕事をしなければいけません。
2つめの物事を研究する力は、大学や社会で新しい知識体系や未知の事象にぶつかった時、それを分析して理解する力です。
3つめのコミュニケーション力は言葉の力です。つまり、自分を表現し、相手を理解し、社会と会話する力です。国語力がなければコミュニケーションができません。コミュニケーションをする場合、相手を理解し説得させることが重要ですが、そのためには発想力や論理力、表現力、批判的思考力が必要です。批判的思考力とは相手の言ったことにも一理あると認め理解することです。それによって初めてコミュニケーションが成立するわけです。コミュニケーション力が身につくと、考える力もつきます。
大学受験勉強のみで大学へ進学しても考える力はつきません。考える力は論理力ですが、次の6つの工程で成り立っています。1つは知識を覚える、2つめは覚えた知識を理解する、3つめは理解した知識を応用する、4つめは応用した文章を自分の言葉で自己流に分析する、5つめは分析した文章を一つに統合し、最後に評価する。この6つの工程で考える力がつきます。
教科教育の充実は大学や社会に出た時に役立つ基礎知識です。研究者や医師、弁護士など高級技術者を養成する大学側が学問する上で一番欲しいのは知的攻撃心のある学生といわれています。つまり人間的にも幅があり、日常生活や学習生活においても本質から物事を考える習慣を身に付けた学生です。こうした学生は自ら知識を増殖する学び方を身に付けているのです。不承不承の詰め込み、いやいやながら暗記する受験勉強のみでは考える力はつきません。私立の中高一貫校ではこうした考える力を身につけられる教科指導をしているのです。
人気のある私立の中高一貫校では、教育理念に基づいて、6年間見守ってくれます。生徒同士の濃厚な人間関係や先生との信頼関係も構築され、生涯にわたってつきあえる友人ができるメリットがあります。
(中高一貫教育情報は、3回連載します。)

監修:教育アナリスト 本田元則

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